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髪を高温で乾かすデメリット

高温のドライヤーが髪に与える悪影響

高温のドライヤーで髪を乾かすデメリットを考える前に、まずは髪の毛の構造について知りましょう。

そもそも髪の構造とは

髪の毛は大まかに3層構造をしています。最も外側にあるのがもうおなじみのキューティクル層です。うろこ状で大体3~4層の構造をしています。ケラチンと呼ばれるタンパク質を含む硬い層と層の間をMEA(18-メチルエイコサン酸)という脂質がつないでいます。

そして中間層に位置するのが髪全体の80%以上を占めるコルテックス層です。この層も繊維状のタンパク質からできており、
この層に含まれるメラニンの量と種類によって髪の毛の色合いが変わってきます。また、水分を多く保持するのもこの層です。そして最も内側に位置するのがメデュラ層です。この層は最も柔らかいタンパク質でできているため外的な刺激等で壊れやすく、空洞ができやすいのが特徴です。もうおわかりかと思いますが、髪の毛の主成分はタンパク質です。更に詳しく説明すると、タンパク質はアミノ酸がとても弱い結合(水素結合)で複雑な立体構造を取ることで働きを示すことができます。

高温が髪に及ぼす影響

タンパク質でできた髪の毛に高温のドライヤーを当ててしまうと、弱い結合が切れ、立体構造が崩れてしまう、変性と呼ばれる現象が起きます。タンパク質は一度変性してしますと元には戻りません。分かりやすい例として、卵の主成分もタンパク質なのですが、生卵を目玉焼きやゆで卵などのように火を通した調理をすると白身の部分が白くなります。

これは、白身に含まれるタンパク質が変性をした証拠です。白くなり、硬くなった卵が元の生卵のように戻るなんてことはありません。この卵に見られる現象と同じことが髪の毛でも起こるのです。ドライヤーの送風口付近の温度が、メーカーによっても違いはありますが、大体100℃~140℃程度だと言われています。送風口から3~5㎝程度離しても、約80℃程度の熱を髪に与えてしまっています。

速く髪を乾かしたい気持ちから、始めは離し気味で風を当てていても、どんどん近づいてしまってということが多くみられます。どうしてもこの距離感を保って風を送るのは難しいです。130℃以上の熱で変性してしまうタンパク質が多いのですが、シャンプー後などのように髪が濡れている時には60℃~80℃の熱でも弱い結合は切れてしまうので、
何度も何度も80℃程度の熱にさらし続けても、同じように変性してしまうのです。ドライヤーのタンパク質が高温にさらされ変性してしまうと、各層では様々な変化が起こります。まずキューティクル層では、うろこ状のタンパク質の層が外側に反り返り、MEAが減少してしまいます。

そうすると表面に隙間ができ、表面がガタガタの髪になってしまいます。そしてコルテックス層では、キューティクル層に隙間ができることによって水分がどんどん外へ外へと失われるようになってしまいます。更には紫外線が届きやすくなっているため、メラニンが分解されやすくなり、髪色の変化が見られるようになってしまいます。そうなると、このコルテックス層がどんどん欠乏し、薄くなっていくので、最も内側のメデュラ層へ刺激が伝わりやすくなってしまい、髪の空洞化が起こってしまいます。

以上のように、高温のドライヤーが髪の毛自体に与えるデメリットは大きいのですが、実はそれだけではなく、高温のドライヤーは地肌にも悪影響を及ぼします。頭皮も含め皮膚は、私たちの体内を守るために、外的刺激に対して対抗しようとします。高温のドライヤーを当て、頭皮が熱にさらされていると身体が判断すると、皮脂腺から皮脂を出し、頭皮を守ろうとします。過剰に分泌された皮脂は毛穴を詰まらせ、髪へ送られる栄養分をシャットアウトしてしまいます。その上、頭皮の水分を保とうとして髪へ送られる水分量が減少します。皮脂が毛穴に詰まることによってフケやかゆみの発生、髪のべたつき等が引き起こされる上に、髪に失われた水分を補給することもできないため、どんどんと悪循環に陥ります。

手足に熱湯を被ったりしてやけどをした際は、すぐに反射的に熱いと感じ、目に見えて皮膚が炎症を起こしたり、水ぶくれができるために冷やしたりといった処置ができます。しかし、髪自体には神経が通っていませんので、髪が高温にさらされたとしても熱は感じませんし、頭皮も、顔や身体の皮膚に比べると通常神経が表層よりももっと深いところに位置しているため、熱を感じにくくなっています。そのため、高温の風で髪を乾かすことで髪を痛めてしまっているのに、それに気付いた時には症状が深刻化してしまっている方が多いのです。

これは髪のやけどです。髪がやけどすると、プラスチックのような不自然なツヤが出てきます。そのため素人目にはキューティクルが傷んでいるのに気付かず、そのまま高温にさらし続けてしまい、しまいにはそのツヤさへなくなり、パサパサの髪になってしまいます。そして変性したタンパク質は硬くなるので、髪が不自然に硬くなり、ゴワついたり広がりやすくなり、スタイリングがしにくく、非常に扱いにくい髪質になってしまいます。そして実は、髪が低温であれ高温であれ、熱にさらされている時間というのも髪をきれいに保つ一つの要因になります。

高温のドライヤーを一か所に当て続けるともちろん髪を痛めてしまうため、髪全体にまんべんなく風を当てている方も多いかもしれません。しかしこの方法だと、髪を温めるための風がどんどん逃げてしまうので乾きにくく、自然と風を当てる時間が長くなってしまうのです。そうなってくると熱にさらされる時間が長くなるので、タンパク質が変性しやすくなってしまうのです。前述したとおり、髪は一度傷付いてしまうと修復が大変で、どんどん悪循環にはまってしまい、最終的には修復不可能となってしまいます。

そのため、そうなる前に意識的に高温でのドライヤーを避ける必要があります。

もちろん、自然乾燥では水分が蒸発する際に生じる気化熱のせいで髪を痛めてしまうので、高温でのドライヤー同様お勧めできません。そのため、未だに高温のドライヤーをお使いの方は、低温ドライヤーを考えてみてもも良いかもしれません。

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